作品解説④「朝霧はつめたい」by吉原英雄
おはようございます。
1月特有の寒さと厳しい天候が続く今日この頃、
朝お布団から起きるのがとても億劫な時期ですね。
そんな今こそ、
今回紹介する吉原英雄の作品「朝霧はつめたい」を鑑賞して、
頭をシャキッとさせてみるのはいかがでしょうか。
鮮やかな青と、存在感のある見事な脚。
色彩や構図、あらゆる面で目を引く作品です。
「朝霧」は文字どおり朝にかかる霧のことで、秋の季語とされています。
皆さんはこの作品に「朝霧」を感じ取りましたか?
吉原英雄といえば「シーソーI」が傑作として有名な芸術家ですが、
この「朝霧はつめたい」は、
そんな「シーソーI」を彷彿とさせる強烈な青色と脚が強調された作品です。
リトグラフ「朝霧はつめたい」が描かれたのは1969年であり、
連作として
「赤い雲のブランコ」「刈り取られた芝生」(ともに1969年、リトグラフ)があります。
吉原が脚のモチーフを好んでいたことは有名ですが、
「朝霧はつめたい」「シーソーI」、そしてこれら他作品を見れば、
吉原が青色を得意とする芸術家であったことも推測されます。
「朝霧はつめたい」以外にも、
吉原英雄の作品が沢山公開されています。
ご興味を持たれたら、ぜひ見に行ってみてください。
吉原英雄 よしはら・ひでお
(1931-2007)
広島県出身。
上田晃や親戚の吉原治良に弟子入りし絵を描き始め、
泉茂の影響を受けリトグラフ制作を始める。
当時としては偉業である国際美術展入選を多数経験。
鮮烈な色遣いのポップアート作品が有名であるが、1978年から晩年にかけてはモノクローム作品を主に制作していた。*1
文責: S.I