作品解説③ 「日仏会館ポスター」by靉嘔
こんにちは。
なんだか,またお家時間が増えていきそうですね。
そんなお家時間の中で,ぜひ作品鑑賞を楽しんでみてください。
さて,今回紹介する作品は,虹のアーティスト・靉嘔の描いた日仏会館のポスターです。
この作品を見たとき,一番に目に飛び込んでくるのはやはり「虹」ではないでしょうか。
鮮やかな虹色は目を惹きますよね。
ご覧の皆さんも感じている通り,靉嘔の作品からは,鮮烈な「虹」が迫ってきます。
線を描かず,引用したモチーフに可視光線(スペクトル)を重ねることで,彼は「虹のアーティスト」たる独創性を生み出したのです。
「線は無限を貫いて旅するが,色彩はそれ自体が無限である。色彩を通じて私は宇宙との全面的な一致を体験する。その時私は真に自由である。」
そう靉嘔は語ります。
色彩に自然,すなわち,宇宙の根源,無限性を見出した靉嘔。
彼の虹の作品を,どうぞお楽しみください。
靉嘔(あいおう)
1931年茨城県生まれ。1966年にヴェネチア・ビエンナーレでの発表を経て,「虹のアーティスト」として国内外で知られるようになった。積極的な活動を行う一方で,創美教育や小コレクター運動にも協力した。
文責:M.Ak